シブヤ109ラボ所長のZ世代の企業選び 求めているのは「ゆるい職場」
25年卒の就職活動がスタートしています。3月1日から本格化し、企業と学生との接点もさらに増えているのではないでしょうか。今年1月に大学3~4年生の男女438人を対象に実施した「Z世代のキャリア観に関する意識調査」では、彼らの企業選びにおける視点が見えてきました。
労働規則は柔軟に
まず「企業選びの際に注目している内容」については「福利厚生の内容」(55.3%)が最も多く、「ワークライフバランスを大事にしたい」と回答したのは87.9%を占める結果となりました。これまで実施した調査の結果と同様に、福利厚生、個人の理想のライフワークバランスが実現できるかどうかを厳しく見ていることがわかります。
また「社内の雰囲気」の理想については「穏やか・ゆったりしている」(42.9%)、「明るい・にぎやか」(38.4%)が上位の一方、「体育会系」(3.9%)、「年功序列・上下関係がしっかりしている」(8.2%)は人気がないようです。
インタビューの会話の中では、「ゆるい職場」というワードがよく出てきます。定量調査の結果でも、「『ゆるい職場』に魅力を感じる」と回答したのは60.1%。「ゆるい」は彼らが求める就業環境における一つのキーワードになっているといえるでしょう。
具体的に「ゆるい職場のイメージ」は、「髪色や服装などの身だしなみの規定が少ない・ない」(53.9%)、「規則が少ない」(50.5%)、「ノルマが課せられない・達成しやすい」(50%)が上位の結果となりました。過度な責任や成績が求められない環境であることよりも、労働規則の柔軟さを「ゆるさ」と捉え、重視しているようです。
すり合わせを
一方、「説明会や選考の中で『こんな会社は避けよう』『受けるのをやめよう』と感じた企業側の言動」については、「アットホーム」といった単語が頻出しました。本来はポジティブな言葉であり、ともすると「ゆるい職場」との親和性を感じてしまう「アットホーム」という言葉ですが、若者はネガティブに捉える傾向にあるようです。
さて、皆さんが「アットホーム」「ゆるい職場」と聞いた時に思い浮かべた状況と、若者の捉え方は同じでしたでしょうか。この調査ではこの他にも「バリバリ働く」など、昔から仕事に関してよく使われる言葉をどう定義しているかなどを聴取しましたが、私は言葉の受け取り方が変化していることを感じました。
採用活動などにおける若者に伝える魅力やメッセージ設計も、非常に重要です。ギャップがあった場合は、すり合わせが必要なのではないでしょうか。
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