ソラリアプラザ(福岡)にデジタルポップアップストア AI活用でテナント幅の拡大に期待
西日本鉄道グループの商業施設のソラリアプラザ(福岡市)に、デジタルポップアップストアがオープンした。日立製作所との協業による取り組みで、AI(人工知能)などのデジタル技術を活用することで企業のテナント出店を支援するのが狙い。昨年12月に同グループの雑貨館インキューブで45日間の実証実験を行ったのに続き、今年1月17日からはソラリアプラザで開始した。実証結果を受けて、接客サービス最適化を進める。
AIで出店の壁低く
デジタルポップアップストアは、陳列棚に並ぶ商品に手をかざすと設置された複数のセンサーが感知し、棚上部のディスプレーに商品の詳細が表示される。客はそれを見ながら欲しい商品を選び、無人の決済パネルで電子マネーやQRコードなどキャッシュレス決済で購入する仕組みだ。
従来、初期投資や距離的な問題、また人材確保が難しいことからテナント出店を断念していた企業が、常駐スタッフなしで手軽に出店してもらうことができる。一方、西鉄側としても福岡に店舗がない企業やECのみを運営する企業など、幅広いテナント誘致が可能となるメリットがある。
多言語化も進める
常駐スタッフの代わりは生成AIやリモート接客で対応する。陳列棚の側に設置した接客用デジタルサイネージでは、付属のAIカメラで客の性別や年齢などを判断し、搭載された生成AIによるアバターが商品のレコメンドや質問に答えてくれるほか、ゆくゆくは日常会話にも対応するようになる。
それでも接客が必要な場合は、オンラインによるリモート窓口サービスを通じ、遠隔地の店員が接客ができる仕組みを設けている。
ソラリアプラザの同ストアでは1月17日から3月末ごろまで4店が順次出店。レディスアパレルを主体とするファッション関連のほか、西鉄グランドホテルのチョコレートやホテルギフト、アロマ、キャンドルなど多様な商品で実証が行われている。
北野誠一ソラリアプラザ副館長は、「生成AIアバターによる接客は、多言語化も進め、ゆくゆくはどんな会話にも対応が可能となる。本格稼働すれば店に立ち寄って世間話だけする客も出てくるのでは」と言う。「今回の実証実験による購買動向などを受けて、可能なら来年度以降に進めていければ」としている。
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