24~25年秋冬パリ・ファッションウィーク コムデギャルソン 「怒り」と、美しさと
2024.03.05 08:00
提供:繊研plus
「コムデギャルソン」のショーに登場したモデルたちは、ランウェーの途中で立ち止まったり引き返したりといった逡巡(しゅんじゅん)を繰り返す。たたずみ、うつむき、つまずき、そして前を向いて進む。それは、川久保玲の今の気分をそのまま表しているかのようだ。
コレクションは黒がほとんどでアブストラクトなフォルムのドレスがメインとなる。ビニールレザーのドレスは球状の布が幾つも膨らみ、グラフィティープリントのセットアップはマーメイドスカートとケープのようなタイトなトップ。トップに鋭く刺すようなフェザーを飾ったドレスのモデルは射抜くような視線を会場へと向ける。大きなコサージュをたっぷりと飾ったブラックレス、鉄条網のプリントのレザータッチのドレス、バックに袖を垂らしたドレスはフロントに大きなリボンを飾る。
解体して再構築していく抽象のフォルム、それはコムデギャルソンの代名詞でもあるのだが、今シーズンはそれが美しさに収まっている。もちろん、普通の美しさではない。抽象の中に違和感とむき出しの強さだけで終わるシーズンもあるなか不思議と違和感よりも美しさに収まるように感じられる。
テーマは「怒り」だというが、コレクションからは怒りのようなものは直接的に感じられない。むしろ前シーズンの方が、怒りにも似た衝動が感じられた。おそらくその怒りの矛先は川久保本人に向かっているのではないか。「本当はこの美しいところにとどまるべきではない。もっと先があるはずだ」。そんないら立ちにも似た怒りがあるのかもしれない。コムデギャルソンは、不定形の中にある美しさへと収まったこのコレクションの先にある何かにどう向かっていくのであろうか。
(パリ=小笠原拓郎、写真=大原広和)
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