

やはり「刀剣乱舞」の舞台は過酷だった…、 染谷俊之の「今だから言える“本当にきつかった仕事”ベスト5」

俳優、声優、YouTuberとして幅広いフィールドで活躍中の染谷俊之の魅力に迫るWEBザテレビジョンの連載「月刊染谷WEBマガジン」。毎月、深掘りインタビューを敢行し、仕事の近況からプライベートまで、事務所NGギリギリの質問をぶつけて“染様(染谷俊之の愛称)”を丸裸にします。第6回のテーマは「本当にきつかった仕事」。2022年でデビュー15年目を迎えた染谷俊之が、これまでの役者人生を振り返り、印象に残っている仕事をランキング形式で語ってくれました。
3カ月のロングラン公演を走り抜けた、舞台「刀剣乱舞」が5位にラインイン
──以前、映画についてのベスト5を語っていただきましたが、今回は「本当にきつかった仕事」のベスト5。どういった基準で選びましたか?
映画だったり、舞台だったり、これまでいただいた演技のお仕事の中から選びました。僕は芸人じゃないので、体を張ったバラエティの仕事はやらないので(笑)。
──そうですよね、失礼しました(苦笑)。では俳優・染谷俊之のきつかった仕事、早速5位を発表してください。
昨年行った、舞台「刀剣乱舞」シリーズの「无伝(むでん) 夕紅(ゆうくれ)の士(さむらい) ─大坂夏の陣─」です。豊洲(東京)にあるIHIステージアラウンド東京という、客席が360度回転する円形劇場で、当初は100公演やる予定だったんですけど、新型コロナの影響で縮小され、実際には3カ月で83公演を行いました。内容的には殺陣(たて)がたくさんあって、広いステージの中をけっこう走りました。僕は体力には多少自信があるほうなので、1回ごとの公演は全然大丈夫だったんですけど、(1日)2公演→1公演→2公演→1公演→2公演→1公演→休演日という1週間のローテーションが3カ月間ずっと続いたので、やはり体力的にきつかったですね。
──1回の公演時間はどれくらいでしたか?
3時間半くらいです。その間にたくさん殺陣があったり、50mくらいを全力疾走したり、かなり動き回るシーンが多い作品でした。これまでもアクションが多い作品はいくつもありましたが、3カ月という長い期間はなかったので痺れましたね。僕は大丈夫だったんですけど、その間にケガをされた役者さんもけっこういて、ほんとみんなで何とか乗り切ったという感じでした。
──無事に終演を迎えた瞬間はどんな気持ちでしたか?
一番は「やっと終わった」という開放感。「終わって寂しい」とかの感傷的な感情はなかったですね。やっぱりやり切ったという達成感が強かったです。あとは今振り返ると、IHIステージアラウンド東京という、役者なら誰もが憧れるステージに立てたという貴重な経験をさせていただいた作品だったと思います。
第3位は「カニを喰べる。」シリーズ。「この作品で鍛えられて、寝起きで100mを走れるようになりました(笑)」
──次は4位をお願いします。
「Messiah メサイア」シリーズ(映画/舞台/テレビドラマ)で、僕が最後に出演した「─鋼(はがね)ノ章─」(舞台・2015年)。体力的にはもちろん、精神的にも大変だった作品です。
──“精神的に大変だった”とは?
シリーズでは、(染谷の出演作品は)まずドラマ「─影青(えいせい)ノ章─」(2015年2~3月)を撮って、その後に「─翡翠(ひすい)ノ章─」(2015年5月)という舞台をやって、それでこの「─鋼ノ章─」(2015年9月)という流れでした。その間に(劇中で)仲間との絆が出来上がっていったと思っていたら、この作品で突如、僕が仲間を裏切るんですよ。それをまったく知らされてなくてすごく驚きましたし、裏切るという演技をするのも精神的にきつかったです。体力的な面で言うと、アクションが殺陣ではなく素手だったんですが、素手のアクションって無茶苦茶疲れるんですよ。あと、ステージ上でけっこう高い場所から飛び降りるシーンなんかもあって、しんどかったですね。なので精神的と体力的なきつさを合わせて、4位に選びました。
──ドラマと舞台のストーリーがつながっている作品で、まさかの展開だったんですね。
僕はドラマからこの作品に初めて加わったんですが、それと並行して映画版の「─深紅(しんく)ノ章─」(2015年10月)の撮影も行われていました。映画は「─翡翠ノ章─」の後のお話で、他の共演者はみんな、その台本を持っているのに僕だけ渡されてなくて「なんでだろう?」と思っていました。それで(共演者に)聞いたら、映画の台本で僕の役が死んだことになっていると言われて衝撃でした(苦笑)。それで「─鋼ノ章─」で死ぬことが分かったんですけど、どうやって死ぬのかは分からなくて、「仲間をかばって死ぬのかな?」なんて想像していたら、裏切って死ぬとは本当にまさかでしたね。
──では続いて3位の発表です。
僕の親友でもある赤澤 燈(俳優)とずっと一緒にやってきた映画「カニを喰べる。」シリーズです。「カニを喰べる。」(2015年)、「羊をかぞえる。」(2015年)、「天秤をゆらす。」(2016年)、「逃げた魚はおよいでる。」(2017年)、「カニを喰べた。」(2019年)と、全部で5作品あるんですけど、どれも撮影スケジュールがかなりしびれましたね。
──1作品、どのくらいの期間で撮影したんですか?
平均4~5日です。朝4時から始まって、だいたい終わるのがてっぺん(午前0時)を越えて、深夜1~2時くらい。さらにそれでも終わらないときは、3時とか4時とか、朝までやったこともありました。その日はほぼ寝られない。寝られたとしても1時間、2時間です。そしてまた次の日、早朝から始まるので。
──「カニを喰べる。」はもともと続編の製作が決まっていたんですか?
決まっていないです。1作目が好評で「みなさんに喜んでもらえているので、じゃあ続編を作ろうか?」という流れでした。
──そう言われると、撮影がきつくても断れないですよね。
はい(笑)。でも撮影中は燈とずっと一緒だったので楽しかったです。ほぼ全編、2人のシーンなので。「逃げた魚はおよいでる。」は台湾での撮影だったので、特に印象に残っています。台湾でも相変わらずのハードスケジュールだったんですけど、それでも期間中に撮り終えられなくて、日本に帰国してからも撮影をしました。今でも燈と当時の思い出話をします。撮影はきつかったですけど、このシリーズで鍛えられたおかげで、自分のキャパシティが広がりましたね。今なら寝起きですぐに100mを走ることができますもん(笑)。
2位は酸素スプレーが必需の「日本一きつい」舞台。そして1位は主演を務めたアクション大河!
──それでは2位の発表をお願いします。
舞台の「弱虫ペダル」(2014年)です。僕は「インターハイ篇 The Second Order」という作品に出させていただいたんですが、かなり大変でしたね。
──どんなところが大変でしたか?
表現方法として(自転車の)ハンドルだけを手で持って、足踏みをしてペダルを漕いでいるように見せるんですけど、それが単純につらい。前屈みになってペダルを漕ぎながら、セリフを発するのって、すごく体力を消耗するんです。さらに演出が独特で、レースなのでペダルを漕ぎながら、抜いたり、抜かれたりの演技をしなくてはいけなくて、(相手役と)その息を合わせるのも難しかったですね。なおかつその間にもちろんセリフもありますから。僕はライバルチームのキャプテン役で、セリフは京都弁でした。そのイントネーションにも注意しなくちゃいけなくて、いろいろ気を遣いました。
──そのほか2位に選んだポイントは?
1回公演をやるとめちゃくちゃ疲れます。たぶん日本一きつい舞台じゃないかなと思います。レース中のシーンが多くて、その間はずっと前屈みの姿勢でペダルを漕いでいる状態で、さらに切迫したシーンはダダダダダダって(足踏みの回転数を)増やさないといけない。僕は舞台で酸素スプレーを使うことはないんですが、唯一この作品だけは袖にはけたときに酸素スプレーのお世話になりました。それくらいきつかったです。
──それではいよいよ残り1作品。染谷俊之がきつかった仕事の第1位は?
主演を務めさせていただいた「剣豪将軍義輝」(舞台)です。前編(2016年)と後編(2017年)があって、前編は前編でずっと出ずっぱりでセリフが多いという大変さはあったんですけど、何と言っても後編の百人斬りがきつかったですね。全体的には殺陣のシーンはそれほど多くなくて、その代わりに難しいセリフがたくさんあって、最後に見せ場として百人斬りのアクションがある。その切り替えも難しくて、チェスとボクシングを両方やっているような感覚になりました。
──百人斬りのシーンは時間にしてどのくらいですか?
7分間戦いっぱなしです。その間、手数で言うと400手くらいですかね。当時(5年前)は体力が無限にあったので、「百人斬りなんて余裕でしょ」と思っていました。殺陣も2時間半くらいですべて覚えて、リハーサルで実際にやってみたんです。そうしたら想像以上にきつくて、途中で「あれ、まだ半分も終わっていないぞ」って絶望を味わいました(苦笑)。さらに本番では、足利家の名刀を畳に差して、人を斬ったあとにその刀を取っ替え引っ替えして戦うという演出だったので、その動きも加わってさらに大変でした。
──百人斬りのほかにも、この作品を1位に選んだ理由はありますか?
主演としてのプレッシャーを一番感じた作品でもあったので、それも含めて1位に選びました。もちろん他のすべての作品が好きですけど、この作品は特に印象に残っています。
──ベスト5の中には、アクションシーンが激しくて「きつかった」というものが多くランクインしていましたが、公演中に体のアフターケアやメンテナンスを万全に行うことが「きつかった仕事」を乗り切る秘訣ですか?
公演中は体のケアはほとんどしないですね。トレーナーさんが入る舞台もあるんですけど、1回も受けたことはないです。僕、疲れたまま出たいんですよ。そうすることで逆に気を付けるし、ちょっと疲れているほうがベストに挑めるんです。なのでおかげさまで、これまで公演中にケガなどをしたことは一度もありません。
──最後に今後「これだけはやりたくない」というNG案件はありますか?
僕個人としても事務所的にも特にNGは決めていないです。作品に必要であれば、脱ぐのも別に抵抗はないですし。ただ「脱いでファンをドッキリさせよう」というのは、グラビアアイドルじゃないのでイヤです(苦笑)。
取材・文=河合哲治郎
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