AKB48 20周年・武道館大千秋楽の完璧すぎる構成『ヘビーローテーション』は大島優子のために
12月7日(日)、「AKB48 20th Year Live Tour 2025 ~あの頃、青春でした。これから、青春です~Part3」が日本武道館で開催された。同グループ結成20周年を記念したコンサートの大千秋楽となるこの公演には、前田敦子、大島優子らOGが大集結。ファンは大歓喜に包まれた。
6公演で4万8000人を動員した、AKB48の日本武道館4DAYS。最終日の夜公演は『桜の木になろう』から静かにスタート。前田敦子がステージに一人で立つと、一瞬大歓声が沸き起こるが、ソロ歌唱だとわかると、歌声を聴き逃すまいと観客たちは聞き耳を立てる。高橋みなみ、板野友美、篠田麻里子、峯岸みなみ、小嶋陽菜と1期生の豪華マイクリレーで幕は上がった。
2曲目の『フライングゲット』は、メンバーが前田を囲むところから始まる。前田が両手を天にかざすと、あの頃の記憶が一瞬でよみがえる。「日本レコード大賞」を初受賞したシングルであり、選抜総選挙で前田がセンターの座を奪還した曲でもある。
6曲目からはユニットブロック。『ツンデレ!』ではオリジナルメンバーの板野が現役の小栗有以、倉野尾成美を従えて踊る。
『Blue rose』は秋元才加、梅田彩佳、増田有華、宮澤佐江が登場。初代チームKのメンツがモニターに映される度に悲鳴が起きる。
『てもでもの涙』は柏木と佐伯美香が歌い上げる。オリジナルメンバーの2人が揃うのは何年ぶりだろう。2008年から2009年にかけてAKB48劇場で上演していた公演曲だ。かつて柏木は、「練習しすぎて、公演が終わる頃には振りが完璧に揃うようになっていた」と語ってくれたことがある。柏木にとってもそれほど思い入れがある曲だ。
そして、『泣きながら微笑んで』でようやく大島優子が登場。彼女のソロ曲だ。バラードをしっとりと歌い上げると、早着替えを終えて、ユニット「Not yet」として『終末Not yet』『波乗りかき氷』を歌う。『波乗りかき氷』のイントロで大島は、「伊藤百花です!」とボケる余裕も見せ、あの頃となんら変わっていない明るさで武道館を照らした。
ユニットブロックが終わると、今度はチーム曲ブロックに突入。チームKが『脳内パラダイス』と『転がる石になれ』、チーム4が『LOVE修行』、チームBが『初日』、チームAが『Pioneer』と『Only today』を歌った。いずれもファンならば必ず通る曲だ。
この日のセットリストも高橋が手掛けたのだが、事前にラジオ番組で明かしたところによると、テーマは「歴史」だという。ソロ曲、ユニット、チーム……と、ファンが望んでいた曲をバランスよく配置している。なるべくオリジナルメンバーが歌うように工夫されてもいた。この日、集まった観客が何を観たいのか、がしっかりと具現化されていた。
ソロ、ユニット、チームと続けば、残るはシングルだ。『真夏のSounds good!』、『ポニーテールとシュシュ』、『Everyday、カチューシャ』、『言い訳Maybe』、『大声ダイヤモンド』と立て続けに繰り出す。必殺技のフルコースだ。
しかし、あの曲をやっていない。そう、『ヘビーローテーション』だ。言うまでもなく、15年前にAKB48を国民的グループに押し上げた名曲だ。マイクスタンドが運ばれてくると、ファンがざわつき始める。そこに大島優子がいなければ、この曲はやらない。高橋はそんな思いを込めて、大島のために本編ラストまで取っておいたのだ。なんと粋な演出だろう。アンコールは『Oh my pumpkin!』、『10年桜』、そして、卒業生と現役合わせて183名で歌う『桜の花びらたち』。現役は48人いるのだが、どうしてもOGに目がいってしまう。久しぶりに見る顔ばかりだ。みんな大人になった。
この日ばかりは総合プロデューサーの秋元康氏も姿を見せていた。ステージ上から前田が感謝を述べると、「やすし」コールがこだました。
場内はWアンコールに突入した。もうそこにはOGはいない。ここからは『NHK紅白歌合戦』を除いて、現役だけの力量で戦っていかなければならない。そんな意志を込めた選曲だった。
ニューシングルの選抜メンバーも発表された。センターは伊藤百花。研究生から昇格したばかりではあるが、そのかわいさで注目を集めている逸材だ。また、代々木第一体育館でのコンサートもあわせて発表された。
こうして4日間6公演の武道館コンサートは終わった。
終わってみれば、話題も注目度もOGたちがかっさらった。それはあらかじめわかっていることだった。現役メンバーは相当落ち込んだはずだ。ホームなのにアウェーを味わったからだ。現に、倉野尾総監督は最終日のスピーチで「悔しい」と話した。自分たちの力では太刀打ちできないものを先輩たちは持っているのだ。この武道館コンサートは、OGたちの同窓会パーティの場でありながら、現役たちが悔しさを痛感させられる場でもあった。
現役たちはこの悔しさをどこに、どうぶつけるのか――。取材するのが楽しみだ。
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