天才ピアニストはオネエで美人で自由恋愛主義者。妖しいくらい、色っぽいです<イケパラ☆シェアハウス桜沢葵編 第1話>

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【モデルプレス×KADOKAWA共同企画/独占連載】天才ピアニストはオネエで美人で妖しいくらい色っぽい、私、貞操の危機ですか!? 世界で活躍するピアニストの桜沢葵は自由恋愛を謳い、結婚する気がないことを告げながら、なぜか有莉子を押し倒す。危うげな色香をまとう葵にウブな有莉子が敵うわけなく、指先に翻弄され身体を弄ばれて……って、あの、ちょっと待って!?
天才ピアニストはオネエで美人で自由恋愛主義者。妖しいくらい、色っぽいです<イケパラ☆シェアハウス桜沢葵編 第1話>/画像提供:KADOKAWA (C)深志美由紀 (C)じゃこ兵衛
天才ピアニストはオネエで美人で自由恋愛主義者。妖しいくらい、色っぽいです<イケパラ☆シェアハウス桜沢葵編 第1話>/画像提供:KADOKAWA (C)深志美由紀 (C)じゃこ兵衛

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天才ピアニストはオネエで美人で自由恋愛主義者。妖しいくらい、色っぽいです<イケパラ☆シェアハウス桜沢葵編 第1話>

「みなさん、おはようございます!」  

有栖荘(ありすそう)にやってきて、初めての朝。  

一階にある食堂に住人が全員そろっての朝食の時間がやってきた。  

おばあちゃんが生きていたころはおばあちゃんの作った朝ごはんをみんなで家族みたいに食べていたと聞いたので、私もそれにならい、簡単な朝食を作ってみたのだった。  

こうして食卓を囲んでみると、住人たちそれぞれの性格がよくわかる――この中の誰かと結婚なんて本当にするかどうか、私にもわからないけれど、少しのあいだでも一緒に住むのだから親しくなれる時間は大切だ。

「うんっ、有莉子(ありこ)ちゃん、おいしいよ!」  

プログラマーである真生(まお)くんは住人の中でもいちばん年下。いつでもニコニコと笑顔で明るい、弟みたいな男の子。

「……まあまあだな」  

この、不愛想なのが冬弥(とうや)さん。冷たい印象の美形で、ほとんど笑わない。ミステリー作家で、ちょっと気難しい人みたい。

「毎朝作ろうとしなくていいからな。無理なくやってくれ」  

一見、ツンとクールなように見えるけどじつはやさしい聡一(そういち)さん。シェフというだけあって、今朝もさっそくお料理を教えてくれた。

「あーん、アリコちゃん、ありがとう! おばあちゃんの味を思い出すわあ」  

そしてこの、オネエ言葉のものすごい美人が葵(あおい)さん。最初見たときは本当に女の人にしか見えなくて、びっくりしてしまった。  

細い腰、しなやかな指先。長い髪の毛は毛先まで輝くばかりにツヤツヤで、肌のきめ細かさはモデルか女優さんかというところだ。

「あらっ、何? アタシの顔に何かついてる?」  

思わずじっと見つめてしまい、たおやかに首をかしげる葵さんに、私はあわてて首を振った。

「あ、いいえ! な、なんでもありません!」

「そう? ふふ」  

ほほえむその笑顔は艶然としている。  

――はぁー、本当に綺麗。こんな人もいるんだなあ……。  

なんというか、完全に、負けた感がある。しぐさも言葉遣いも女性的だし、葵さんはきっと男性が好き――なんだよね? たぶん……。  

とにかくこの屋敷の住人は個性的な人ばかりだ。  

結婚うんぬんの前に、そもそも管理人として本当にうまくやっていけるのか、少し不安になる私だった。

「えーっと、次はどこをお掃除しようかな」  

倉庫のかたづけを終えた私は、雑巾を片手にトントンと腰を叩いた。  

おばあちゃんが亡くなってからあまり手入れをしていなかったらしい有栖荘はなかなかお掃除のしがいがある。

「一階にあるのが食堂と倉庫、それから真生くんと聡一さんの部屋。二階が葵さんと冬弥さんの部屋……」  

二階のいちばん奥はもとはおばあちゃんが使っていた部屋で、いまは私が住まわせてもらっている。  

有栖荘の相続の話が出る少し前に、私は小さなトラブルで会社を辞めてしまった。貯金があるからしばらく暮らしには困らないけれど、毎日やることもない。そんな私にここの管理人の仕事は渡りに船というものだった。

「こんにちは、郵便小包です!」  

廊下にモップをかけていると、外から大きな声が聞こえてくる。

「あ、はい!」  

玄関を開けると、そこにいたのは制服姿の配達人さんだった。

「どうも。ここの新しい管理人さん?」

「はい、よろしくお願いします。えっと、私のサインでいいんですか?」

「ああ、ここの荷物はいつも管理人のおばあちゃんに預かってもらってたからね」  

配達人さんはそう言って私に伝票を渡してきた。サインをすると、小包を渡される。小さなダンボールの上に貼られた送り状には「桜沢(さくらざわ)葵さま」とあった。

ピアノの音は聞こえないけれど、たぶん部屋にいるだろう。私は階段を上り、葵さんの部屋の扉をノックした。

「葵さーん、お荷物です」  

声をかけると、すぐにガチャリと扉が開く。

「ああ。ありがとう、アリコちゃん。きっと注文した楽譜だわ」

「!?」  

現われた葵さんの恰好に、私は息を飲んだ。  

下着だけを身に着けた下半身に、前ボタンがすべて開いたシャツをばさりと無防備に羽織っただけの姿。乱れた髪の毛、ほんのりと上気した頬……。

「きゃっ……! す、すみません!」  

あわてて扉を閉めようとした私の手を、葵さんが押さえる。

「待って待って、荷物」

「あ、は、はいっ」  

私はわけもわからず、とにかく小包を葵さんの手に押しつけた。部屋の奥から「何、その子?」という男性の声が聞こえて、はっと顔を上げる。

「ああ、新しい管理人さんよ」  

ベッドの上に、まるでギリシア彫刻のように均整のとれた全裸の男性が横たわっているのが見えた。

「へえ、なかなかかわいいじゃん。手ぇ出すなよ、葵」

「あら。なあに、ヤキモチ?」  

男性と葵さん、ふたりのあいだに漂うけだるい雰囲気。それはまさに、いままでそこで何が行なわれていたかを象徴するような淫靡なムードで……。

「!! お、お邪魔しましたっ!」  

今度こそ、私はバタンと扉を閉めた。

――な、な、何? 何が起こったの?  

ばくばくと心臓が波打っていた。  

――あれって……あきらかに、そういう関係の、そういう状況だよね。じゃあ、彼は葵さんの恋人?  

あああ、見てはいけないものを見てしまった。というか、いつのまにあの人、葵さんの部屋に? 私が倉庫を掃除しているあいだにいらっしゃったのだろうか。いや、もちろん大人だし、部屋に誰を呼ぼうと自由なんだけど。  

ぐるぐると考えながら、私は自室へと戻った。他人の「そういう場面」を見てしまったことなど初めてで、混乱が収まらない。  

しばらくすると、コンコンとドアをノックする音がした。

「……アリコちゃん?」  

――葵さんだ!  

ドキドキしつつ、おそるおそるドアを開ける。そこに立つ彼が今度はきちんと洋服を着ていたので、私はほっとした。

「ヘンなところを見せちゃってごめんなさいね。カレはもう帰ったわ。これからは気をつけるわね」

「あ、そ、そうですか……」  

恥ずかしくて葵さんの顔がまっすぐ見られない。

「……ちょっと、入ってもいい?」

「えっ!? は、はい!」  

葵さんは私の部屋に入ると、バタンとドアを閉める。うながされるまま、私たちは並んでソファへ座った。

「あのね。おばあちゃんの遺言のことだけど。アタシは自由恋愛を楽しみたいから、結婚はしない主義なの。だから結婚相手はアタシ以外から選んでくれる?」

「あ、は、はい!」  

なんとなくそういうイメージがあったので、驚きはしなかった。わざわざ、このことを話しにきたのだろうか?  

葵さんが、クスリとほほえんで私の顔を覗き込む。

「……でも、アリコちゃんってすごくかわいいわよね」  

――え?  

はっと気がつくと、綺麗な葵さんの顔が間近に迫っている。  

あっと思う間もなく。私は、ソファへと押し倒されていた。

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著者・深志美由紀(みゆきみゆき)プロフィール

官能小説家。「あなたは私を解き放つ」にてコバルト文庫ノベル大賞佳作受賞。
「花鳥籠」にて第一回団鬼六賞優秀作受賞、映画化。
スポーツニッポンにて火曜水曜エッセイ連載、乙女系電子書籍多数配信中。
著作に「美食の報酬」(講談社文庫)「ゆっくり破って」(イーストプレス)など。
CSエンタメ~テレ「女の秘蜜 妄想ノススメ」アンコール放送中。
ツイッター:@angelusace

(modelpress編集部)

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