瀬戸内の海鮮と自然派ワインがおいしい、ビストロ風 和食居酒屋『アトリエフジタ』【代々木上原】

代々木上原・代々木八幡・幡谷エリアに店を構える『アトリエフジタ』。こちらの店は、瀬戸内の海鮮を使った料理をおいしい自然派ワイン・日本酒とともにいただける、ビストロ風の和食居酒屋です。刺身の盛合せやフィッシュ&チップス、タコのコンフィなど料理はおいしいものばかり。気取らず、仲間とわいわい楽しむのにぴったり。ぜひ予約して訪れてみよう。
特集:西原の気取らない良い店

2019年07月15日
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瀬戸内の海鮮と自然派ワインがおいしい、ビストロ風 和食居酒屋『アトリエフジタ』【代々木上原】
Summary
1.ひっそり通いたい店が集結! 大人のグルメエリア「西原」に注目【特集・西原の気取らない良い店】
2.アートのように美しい一皿とおいしいお酒をカジュアルに、代々木上原『アトリエフジタ』
3.瀬戸内のおいしい海鮮を中心に、組み合わせの妙が光る料理が愉しめる

良いものを気軽に堪能できる店が集結、大人のグルメエリア「西原」

都内屈指のグルメタウン・代々木上原、古くから愛される店とお洒落な店が混在する街・幡ヶ谷。その2つの街の間に位置する「西原」エリア。

高級住宅街でありながら、さまざまなジャンルの腕利き料理人たちが店を構え、それに魅了された”本物志向”の大人が集う街である。そんな「西原」にスポットを当て、上品で洗練されつつも日常使いできる「気取らない良い店」をご紹介しよう。

美しい一皿とおいしいお酒を今日も。グルメな大人が夜な夜な通う『アトリエフジタ』

このエリアで異彩を放つ一軒がある。2015年11月にオープンした『アトリエ フジタ』だ。”アーティストの仕事場”を意味する「アトリエ」を店名に冠している通り、目にも美しい一皿に出逢える人気店。同店では、瀬戸内の海鮮を使った料理をおいしい自然派ワイン・日本酒とともにいただける。

オーナーシェフの藤田善平さんは岡山県倉敷市の出身。もともとは会社勤めをしていたが、一念発起しもともと好きだった料理の世界へと進んだ。フレンチやワインバーを中心に店舗の立ち上げや運営、店長など、飲食業に幅広く携わってきた。そのなかで、「利益追求型ではなく、無理をせずもっと自然においしいものを食べてもらいたい」との想いで『アトリエ フジタ』オープンへと至った。

料理の特徴
もともとは、低温調理でじっくり素材のうまみを引き出したノルディックフレンチスタイルを主としていたが、今ではそこに、日本の良い食材、醤油やだしといった調味を掛け合わせている。

海鮮系の食材は、地元である瀬戸内の魚屋からおすすめを取り寄せ、熟成をかけることでさらなる魅力を引き出す。野菜も、ビニールハウス等を使わない露地栽培のものや地元に近い西日本方面のものを多く使用している。
それらの食材本来の味を大切とし、調味は素材に足りないうまみを補う役割と考えている。なので、刺身に合わせるのは醤油ではなく塩や爽やかなソースなのだ。

それではアラカルトより、この日のおすすめをご紹介しよう。

▲ルバーブのピクルス
夏場の定番メニューとして、タデ科の野菜であるルバーブをピクルスでいただく一品。下には自家製サワークリームとルバーブのジャムを敷いている。
シャキシャキした繊維感が楽しいルバーブは甘酸っぱく、サワークリームの爽やかな酸味やジャムのフレッシュな甘みと合わせると、口内をやさしくリフレッシュさせてくれる。前菜としてだけでなく、箸休めとしても大いに活躍するだろう。

福島「島田農園」のルバーブの食感、鮮やかなルビー色を生かしたソースの美しさ、自家製サワークリームとジャムのフレッシュさ、細かいところにまで丁寧な仕事が施されており、次の料理への期待感もぐっと上がる。

▲刺身の盛合せ
この日は、手前から時計回りにシマアジ・金目鯛・タイ・マナガツオ・サワラ。いずれも瀬戸内産だ。
シマアジは生のままレモン汁で和えてセビーチェ風に。それ以外のものは、少し塩水に浸けたあと一週間ほど熟成させている。それにより、ねっとりとした食感と、水分が抜けてぐっと凝縮したうまみを噛むほどに味わえる。

皮目を炙ったり湯引きしたりするひと手間によって、いずれも少しずつ趣向が異なり、食べ比べを楽しみながらぺろりと平らげてしまう。

あまり聞き慣れないマナガツオは、関西方面ではカジュアルに食べられているが、関東では高級魚として料亭や高級フレンチで主に扱われているという。このような旬の味を気軽に食べられるのはとても嬉しい。

アートのように美しいソースは、黄色いものがパッションフルーツ、緑色のものがイタリアンパセリを使用している。魚と合わせるとフルーティーな華やかさ、爽やかさがアクセントとして機能し、一気に洋風な装いとなる。

▲フィッシュ&チップス
運ばれてきた瞬間だれもが驚くこの見た目。実は、下処理をし中骨を抜いたフグを丸のまま揚げている。写真上で一人前なので、手で尾ビレを持って豪快にかぶりつくのが藤田さんのおすすめ。

サクサクで軽い衣とふんわり優しい身のコントラストが素晴らしい。衣には重曹やビールを混ぜ、160~170℃の高温で10分ほど揚げることで、各々の食感を生み出している。

添えられているのは、ポテトと赤タマネギのソース。フレッシュなソースは、その酸味で揚げ物の味わいをぐっと引き締め、一皿としてのバランスの良さを感じることができる。

さらに、塩は全料理共通で、フランス・ゲランドの希少な塩「フルール・ド・セル」を使用。塩味の中に甘みもあり、どの料理の味わいをも引き立てる大きな役割を担っている。

▲タコのコンフィ
荘厳で優雅な見た目にうっとりする一品。コンフィにしたタコの頭と足を、アリゴ風ポテトの上に鎮座させている。タコのコンフィは2~3時間火入れし、その後オリーブオイルでソテー。

その弾力と濃いうまみという魅力を引き出すために、しっかりと火入れし、繊維感が出た身に味を染みこませている。そのタコの味に幅をもたらすソースはニラで作成。上に散らされているのはブラックオリーブを乾燥させたもの。

タコの絶妙な歯ごたえと溢れ出るうまみ、アリゴのねっとり感とブラックオリーブの風味、そしてニラソースの爽やかさ。これらが多層的なおいしさを奏で、この一皿で大きな満足感を得ることができる。

▲マナガツオのキャラメリゼ ズッキーニのスープ
こちらは、ズッキーニを1日ほどかけて乾燥させるところから始まる。魚出汁でとったスープのベースに、パリパリになった乾燥ズッキーニとエシャロット、サフランを入れて煮出していく。そうすることで、あっさりしながら複雑味のあるスープになる。

マナガツオの皮目は、焼いたり炙ったりしてもカリッとは仕上がらないという。それゆえ、同店では芳ばしさを引き出すために、砂糖を付けてキャラメリゼしている。その芳ばしい皮目としっとりやわらかな身のマナガツオ、そして滋味深いスープが相性抜群で、口内にじんわりとうまみが広がっていく。ぐっと和の領域に引き込まれ幸福感に包まれていくようだ。

同店の魅力は、料理とお酒のペアリングにもある。ワインはイタリアやフランスの自然派ワインを中心に、地元・岡山のワイナリー『domaine tetta(ドメーヌ テッタ)』を始めとする国産ワインも幅広くそろえている。
日本酒は、フレンチ寄りの料理との相性を考えて乳酸多めのものも用意している。藤田さんやスタッフにオススメを聞いて、好みの組み合わせをぜひ見つけてみよう。

藤田シェフが語る、「西原」の魅力とは?

さて、この街で日々過ごしているシェフ自身が感じる、街の魅力を伺ってみよう。
この界隈は、こだわりを持って何かに特化した料理を愉しめる個人店が多いというのが大きな魅力だという。藤田さん自身代々木上原に住んでいることもあり、休日は付近で食事をすることも多いそうだが、そもそもこのエリアに住む人の特徴として、土日の夜は家ではなく外食をすることが多いという。

近所の店が東京でも選りすぐりの良店であれば、自ずと食の感度も高まり、そして食の感度が高い人も自然と集まる。その連鎖によって、「西原」という街のキャラクターがつくりあげられているのだろう。

目に触れるあらゆるものに、こだわりを

ウッディで温かみのある店内は、9席のカウンターと4人用テーブルが2つ。おすすめは、藤田さんが腕を振るう姿を間近に見られるカウンターの奥席だ。

家具やカトラリー類は、藤田さんが好きだという北欧のものがメイン。ランプシェードは、特に好きだというデンマークで買いつけたアンティーク。カトラリーは、ものづくりの街として名高い新潟の燕三条で製造されたデンマークのブランド「KAY BOJESEN(カイ・ボイスン)」を。食器は、北欧やアラビアのものを中心に、地元・備前焼などの日本製も稀に使用するという。
丁寧につくられた料理だけでなく、お客の目に触れるあらゆるものへのこだわりまでをも堪能したい。

▲藤田善平シェフ プロフィール
24歳より料理の世界へ。フランス料理『goblin』(西麻布)でキッチンスタッフとして立ち上げに携わり、『富士屋本店 ワインバー』(渋谷)で店長を務めながらソムリエを取得。その後、グリル料理『LB6』(六本木)では立ち上げ責任者として、イタリアン『ミルヴァン フィオーリ』(下北沢)では立ち上げと店長を務めた後、『アトリエ フジタ』にて独立。ワインのみならず日本酒も知識豊富で、セレクトやペアリング提案も自ら行っている。


【メニュー】
ルバーブのピクルス 1,200円
刺身の盛合せ 2,400円
フィッシュ&チップス 1,500円
タコのコンフィ 1,700円
マナガツオのキャラメリゼ ズッキーニのスープ 3,000円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です

アトリエ フジタ

住所
東京都渋谷区西原3-4-3 アミティ代々木上原2F
電話番号
050-5487-0697
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
17:30~24:00
定休日
不定休日あり
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/5su0e2xm0000/

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