なぜ今「セーラームーン」が再ブームに?デザイナーが語る“大人女子”に支持される新たな魅力
2015.05.23 09:00
90年代、少女漫画界に旋風を巻き起こした武内直子原作の人気アニメ「美少女戦士セーラームーン」。生誕20周年を迎え、“セーラームーン世代”の20代~30代の女子を中心に、今再びブームが過熱している。再注目を浴びる理由とは?世代を越えて女性の心を掴んで離さない魅力とは?再ブームの一翼を担うデザイナーに話を聞いた。
新たなセーラームーンの世界
生誕20周年を記念して、多くのファッションブランドやコスメラインなどがセーラームーンとのコラボ商品を発売。モデルやタレントたちがこぞってそれらを“ファッション”の一部として取り入れると、たちまち「かわいい」の象徴として再注目を集めた。さらにアニメ最新作「美少女戦士セーラームーンCrystal」がこの4月よりテレビ放送を開始し、ストーリーそのものにも改めて視線が向けられた。アニメを収録したBlu-ray、DVDは、パッケージにも生まれ変わった作品の世界観が散りばめられており、大人女子の間で「かわいい」と話題に。そのパッケージをはじめ、「美少女戦士セーラームーンCrystal」テレビ放送開始スペシャルサイトやオリジナルサウンドトラックなど、数々のデザインを手掛け、“大人女子向け”のガーリーな世界観を生み出しているのが、デザイナーの内田あみか氏だ。
これまでのポップでカラフルな世界観から一変、パステルカラーを基調にしたガーリーなデザインのBlu-ray、DVDパッケージ。内田氏は、そこに『当時アニメを見ていた、大人になった女性たちへ贈る』というコンセプトを掲げている。「私もまさにずっとセーラームーンのアニメを観て育った世代だったのですが、今改めてセーラームーンを見つめ直した時に、子供の頃には気づかなかったセーラー戦士たちの強さを兼ね備えた女性像やストーリーの奥深さを再発見することができたので、それらを新しい『Crystal』作品としてパッケージに落とし込めれば、と考えました。セーラームーンのキラキラとした世界観はそのままに、守られるだけじゃない、戦う強い女性像を大人になった自分たちと重ねて力にしてもらえるような作品になればと思ってデザインしています」と、セーラームーンの世界とリアルの世界を結ぶ作品には、ガーリーさの中にも、優美さや力強さも漂う。
「パッケージは1巻にはオルゴールが付属するなど他にあまりない試みで、大人になってからアニメをあまり見なくなった女性にも手にとってもらえるように…ということで、デザインも(外箱は)化粧品やお菓子のパッケージなどあえてアニメ作品らしくないものをイメージしています。また、90年代版とは違う原作に近い大人っぽい作画になっていたので、それに合うような淡い柔らかいデザイントーンを基本としつつ、前世や未来が入り混じったスケール感のあるストーリーや内側から輝くものを感じさせるような、大人のセーラームーンであることを意識して制作しました」。
巻ごとに、テーマとなっているセーラー戦士をイメージし、異なるシルエットで表現されるパッケージは、「女性の部屋においてあっても違和感のないように」とまさにファッションアイテムの一つとして提案されている。「ジャケットイラストに関しては、武内先生の過去の原画や、最新の完全版イラストを拝見して、アナログ原画にレースやビーズ、写真などを貼りこんである作り方がとても綺麗だったのでそこからインスピレーションを受けて、アナログとデジタル表現を組み合わせた、見たことがない新しいセーラームーンに挑戦してみたいと思って制作しました」と語るように、これまでにない“現代のセーラームーン”に生まれ変わっている。
「かわいい」の根源にあるセーラームーン
新たな世界観を作り出す側に立つ内田氏は、ファッションの一つとなったセーラームーンについてどう感じているのだろうか。「女性の言う『かわいい』の感覚は、ピンクでキラキラしているだけじゃなく人によって何通りもあるもので複雑なのですが、セーラームーンにはそれが全部詰まっているのだと思います。大人になるとどんどん個性が広がっていきますが、元を辿るとみんなセーラームーンだったりと『かわいい』の根源を担っているのではないでしょうか…。デザイナーとしてみても、色分け・天体属性などすごく世界観がはっきりとしていてどんなアイテムにしてもかわいく・かっこよくなるアイコンなので、武内先生の前衛的な感覚に脱帽します」。
さらに、現在のセーラームーン再ブームについてこう分析する。「女性が強くなりつつある現れなのかなと思っています。戦士たちがクリスタルパワーでメイクアップするように、朝起きてメイクをして社会と戦いにいく。子供のころの憧れの戦士たちが、今の自分の存在と重なるという感覚は、たくさんの女性を奮い立たせているのではないかと思います。ファッション・視覚的な部分だけでなく、キャラ・ストーリー設定においても、今見てもかなり深いものがあるという作品の奥深さも、再注目されている根底にあるように感じています」。
セーラームーンとともに成長してきた多くの女性たちが、生誕20周年を機に、改めて幼少期の「憧れ」や「夢」を思い出したことだろう。デザイナーである内田氏もそんな女性の一人だ。“セーラームーンファン”が作品への思いを詰めて生み出す新たな世界観は、よりリアルで等身大の存在として大人女子の目に映され、愛され続けるだろう。(modelpress編集部)
(C)武内直子・PNP・講談社・東映アニメーション
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