モデルプレスのインタビューに応じた森保まどか (C)モデルプレス

<HKT48森保まどかインタビュー>「TEPPEN」出演で得たピアノへの自信・グループの変革期も語る

2020.02.13 21:00

1月29日に初のピアノソロアルバム「私の中の私」を発売したHKT48森保まどか(もりやす・まどか/22)が、モデルプレスのインタビューに応じた。アルバム制作の苦労や、グループやアイドル活動についても話を聞いたインタビュー前編。

森保まどか、初のピアノソロアルバム「私の中の私」

幼少期からピアノに親しみ、フジテレビのバラエティ特番「芸能界特技王決定戦TEPPEN」での「芸能人ピアノ対決」で優勝経験もある森保。

同アルバムは総合プロデュースに松任谷正隆氏を迎え、武部聡志、鳥山雄司、本間昭光、伊藤修平、各氏に松任谷氏を加えた日本を代表する5人が、クラシックの名曲カヴァーと、今作のために書き下ろしたオリジナル楽曲の2曲ずつのプロデュースを担当。アイドルのピアノアルバムというイメージとは一線を画す「本気」のプロデュースで今までにない聴きごたえ十分な作品に。

誰もが耳にしたことのある有名クラシック楽曲の大胆な解釈のアレンジや、超絶技巧のソロ楽曲、クラブライクなスタイリッシュなアレンジ、和のメロディが心地よいJ-POPテイストな楽曲など、驚くほどバラエティ豊かでありながら不思議とアルバムとしてのまとまりが感じられる名作が誕生した。

2015年10月の「TEPPEN」優勝を受けその年の11月には発売が発表されていたが、今回数年のときを経てついにリリースを果たした。

森保まどか、念願のアルバムリリース「ファンの方も正直、触れていいのかな…と」

森保まどかピアノソロアルバム「私の中の私」アーティスト写真(C)AKS
森保まどかピアノソロアルバム「私の中の私」アーティスト写真(C)AKS
― アルバム発売おめでとうございます。どんなアルバムになりましたか?

森保:クラシックのアレンジが入っていたり、書き下ろしのオリジナル曲とかが入っていて、本当に11曲全部が違うジャンルというか振り幅が大きくてバラエティ豊かな内容でありつつ、1枚を通してまとまりを感じる作品になったかなと思います。結果的にそうなったというのが大きいんですけど、本当に楽曲が幅広いので良い意味でゴタゴタしちゃうかなと思ったけど、全然そんなことなかったです。

― 制作が発表されてからは数年越しの発売となりますが、今の心境はいかがですか?

森保:数年前に発表していたのでファンの方からも、握手会とかで「正直、触れていいのかな…」みたいな遠慮されている雰囲気を感じていて、無事に日の目を見るというかこうやってリリースすることができて、本当にお待たせした分、良いものができたし、良かったと思います。

森保まどか、気づかずに倍速で録音

― 制作期間としてはどのくらい?

森保:動き始めてからは大体1年くらいですね。録音は半年くらいです。

― 沢山あったと思うんですけど、制作を通して一番大変だったことや苦労したことは何ですか?

森保:全曲通してなんですけど、まずクラシックを主にやってきたので、トラック(他の音)に合わせて弾くこと自体が初めてで、ましてや録音することも未経験だったので合わせて弾くのがすごく大変でした。

― 相当練習して録音に臨まれましたか?

森保:そうですね。1ヶ月に2曲か3曲くらいのペースでやったんですけど、後半の方は結構スケジュールが詰め詰めで、難易度が高い曲が集まっていたんです。だから何曲か同時進行で抱えながら練習するのが大変でした。

― 松任谷さんからはどんな指導がありましたか?

森保:11曲全部録音に立ち会って下さって、全て立ち会えないときも「これで進めます」という最後の録音は聴きに来て下さってそこでもう1回手直しが入ることも。全部チェックしていただきました。

― 一番苦労したのは最後の松任谷さんの書き下ろし楽曲「即興曲#727」ですか?

森保:そうですね。最後に録音したので1番緊張しました。松任谷さんが倍速で弾いて下さったのをデモで送って下さったみたいなんですけど、全然そんなことを知らずに普通に練習して、倍速で弾きました(笑)。松任谷さんはゆっくり弾いたのを機械で速くしたものを送って下さったんですけど、私は「その速さなんだ…!」って思ってしまって(笑)。「遅く弾いても良いよ」と言って下さったんですけどやっぱり速く弾いた方がカッコいい曲だし、聴いて映えないかなぁと思ってできるだけデモの速さに近づけようと思って頑張ったら本当はデモ自体倍速だったという…(笑)。弾いた直後に聞いて「え~!」みたいな(笑)。

森保まどか「TEPPEN」松井咲子は「強敵」

森保まどか (C)モデルプレス
森保まどか (C)モデルプレス
― 想像を超えてきたんですね(笑)。現役アイドルでピアノという武器があるのは、他の方にはない強みだと思うんですけど、ご自身では強みと捉えていますか?

森保:アルバムを出せることになって改めて武器だと実感できました。ピアノをやっているメンバーは多いと思うしコンクールとか発表会に出ていた子もいるし、私は音大を出ているわけでもないのでそれまでは自信がなかったんです。コンサートで弾かせてもらっても葛藤じゃないですけど、「私で良いのかな」みたいなところがあって。でも、こうやって作品を出せたことで1つ根拠というか自信に繋がったというのはあります。

― 「TEPPEN」の優勝経験も、大きかったのでは?

森保:大きかったと思います。まず出演していなければこのアルバムも作れなかったので。

― 出演前と出演後で、自分の中でのピアノへの意識というものは変わりましたか?

森保:出てからは「あ、『TEPPEN』で優勝した人だ!」と言って頂けることも増えました。今年1月には久しぶりに出演させていただいて、寂しいというか物足りない気持ちもあったので、この間は久しぶりの感覚ですごく懐かしかったです。

― 「TEPPEN」出演は普段のアイドル活動とは気持ちが違いますか?

森保:アルバムのレコーディングとも違うし、コンサートの伴奏とも違うし、テレビの収録は独特の緊張感があります。いつも練習期間がきゅうきゅうなので集中して挑んでいます。

― 今後また優勝も狙っていきたい?

森保:アルバムを出されている(元AKB48の)松井咲子さんがいらっしゃるので…(笑)。

― 前回も松井さんが優勝されましたね。

森保:そうなんですよ。強敵なので、いつか、いつか(笑)。

― やっぱり松井さんは強敵ですか?

森保:もう、すっごく上手です!私が言うのもおこがましいんですけど、レベルがやっぱり違うな~と思います。

― 視聴者の方や審査員の方から、森保さん独自のピアノの魅力はどこにあると言われることが多いですか?

森保:リズム感が良くて、打鍵(タッチ)が強い、と言われることが多いです。今までも「TEPPEN」の自由曲では、バラード調の曲はそんなにやってきてないんです。だから次の機会があったらそういう美しい感じの曲にも挑戦してみたいなと思います。

― 「TEPPEN」を観てファンになった方も多いですか?

森保:結構いらっしゃいます。握手会も「テレビ観て初めて来ました」みたいな方もいらっしゃるので、ありがたいです。

森保まどか、ピアノアルバムで架け橋に

劇場盤ジャケット写真(C)AKS
劇場盤ジャケット写真(C)AKS
通常盤インナージャケット写真(C)AKS
通常盤インナージャケット写真(C)AKS
― ピアノアルバム自体は、色々なピアニストの方が出されていると思いますが、現役アイドルの方が出すことについて、どんな意義があると思われますか?

森保:今回はクラシック曲アレンジ、書き下ろし曲、EDMとかレゲエっぽい曲、民謡が入っている曲とか、とにかく多彩でクラシックとポップスのアレンジ、アイドル、全てがかけ離れているジャンルだと思うので、それぞれの魅力を発信して、それぞれの入口になるようなアルバムができたと思います。だから今までクラシックを聴いていた方は「アイドルの人が弾いているんだ」と興味を持ってもらって、J-POPとかアレンジ曲が好きな方は「クラシックの名曲もこういう風になるんだなぁ」とかそれぞれ3つを繋げる架け橋になれたら本望ですね。

― 森保さんのファンの方にとっても新しいジャンルですもんね。

森保:そうなんですよ。早速「クラシックのこの曲のアレンジが良かったから原曲も気になってチェックしちゃった」みたいなコメントも頂くので、そういう声は本当にすごく嬉しいです。

森保まどか、HKT48の変化を語る

― ここからはグループ活動のこともお聞きしたいと思います。今のHKT48の現状はどう捉えていますか?

森保:さっしー(指原莉乃)が、卒業してしまって、ずっと先頭を引っ張ってくれた宮脇咲良ちゃんや矢吹奈子ちゃんも韓国で活動しているので、今まで前面に出て“顔”と呼ばれていた子たちが急にいなくなってしまい、変革期と言える時期なのかなと思っています。

― その3人がいなくなってから1年以上経つと思うんですけど、グループの雰囲気が変わった部分はありますか?

森保:こないだの単独コンサートでは村重杏奈ちゃんがメインの立ち位置になったり、
これまで前に出てこなかったメンバーにスポットが当たったり、後輩も積極的に前に出ていたり、今一度そういう元気で楽しいHKT48が新しくできていると思います。

― HKT48といえば明るく楽しい雰囲気ですが、そこは変わらず?

森保:そうです。今のメンバーでツアーも1本周っているので、寸劇にも力を入れたり、今のHKT48はまた違う楽しさがあるかもしれないです。

HKT48「めちゃくちゃ怒られた」ツアーで全員話し合い

森保まどか (C)モデルプレス
― グループ内で話し合うことも?

森保:ツアー前はレッスン場で全員円になって話し合って意見を出し合いました。

― コンサートや公演ではにぎやかなイメージですが…

森保:そこはすっごく真面目にやります(笑)!リハのときから舞台監督さんにめちゃくちゃ怒られたので気合を入れ直して、皆で集まってどうすべきか話し合いました。

― 森保さんは数少ない1期生として厳しい言葉をかけることも?

森保:私全然言わないんです、多分一番言わないと思います(笑)。ダメかなとも思うんですけど、あんまり人に怒れなくて。逆に同期の松岡菜摘、本村碧唯とかキャプテンと呼ばれているようなメンバーや、杏奈もMCのリーダーみたいな感じなので、その子たちがすごく発言してくれるんです。言いたいことを全部言ってくれるので私は行動で示していければいいかなと思っています。皆が言っても萎縮しちゃうかなと思ってバランスを見ています。

― 緩衝材というか、そういうメンバーも必要だと思います。

森保まどか、怪我による休養も

“ピアノを弾いている仕草”という無茶振りにも笑顔で対応してくれた森保まどか (C)モデルプレス
“ピアノを弾いている仕草”という無茶振りにも笑顔で対応してくれた森保まどか (C)モデルプレス
森保まどか (C)モデルプレス
森保まどか (C)モデルプレス
― 昨年は足の怪我に悩まれましたが、現状はいかがですか?全快ではない?

森保:半快くらいです(笑)。リハビリしながら。特に明確なきっかけがあるわけではないんですけどずっと活動をやっていて右膝を痛めました。身体の使い方を見直して膝に負担のかからないような踊り方とか使い方を勉強しています。

― 休養期間を経て考え方に変化はありましたか?

森保:去年はグループとして夏に沢山イベントやフェスに出させていただいた中で、私は参加できなかったので当たり前のことが当たり前じゃないんだなと改めて気付かされました。

森保まどか、卒業への思い

― 別のインタビューで「まだ卒業は考えていない」と見たんですが、今は卒業についてどう考えていますか?

森保:いつかは来ることなので、それまでに作品を自分の名義でs出せて良かったなと思います。もし卒業して芸能活動自体やらなくなったとしてもこのアルバムだけは再生され続けて生き続けるので、それはすごく恵まれていることだなと感じています。

― 今後個人としてしたい活動はありますか?

森保:HKT48のコンサートでピアノを弾きたいですね。最近弾いていないので。逆に“何でもあり”じゃないですけど、柔軟なHKT48だからこそ自分の強みを活かしてコンサート自体に厚みを出せたら良いなと思います。

森保まどか (C)モデルプレス
― では、最後にこれまで沢山夢を叶えてきた森保さんの“夢を叶える秘訣”を教えて下さい。

森保:以前お世話になった舞台監督さんから一人ひとりお手紙でお言葉を頂いたときに、「期待以上の結果を出して初めて人に認められる」と書いてあって、それから意識して動くようにしています。

― 意識していて良かったなという経験はありますか?

森保:アルバムの録音とかでもそうなんですけど、自分の中で「これぐらいやっておけば大丈夫だろう」を想定していたらそれが周りの期待以上だったというか、結構完璧主義なので今回の「即興曲#727」もそうなんですけど、「こんなにやってきてくれると思わなかった」って言って頂くことも多くて、私はやりすぎくらいがちょうど良いのかなと思っています。

― 森保さんが“やって当然”と思っているレベルがそもそも高いんですね。

森保:うーん、他人の求めるハードルを意識して行動していたら、結果が付いてくるかもしれないです。

― ありがとうございました。

私物メイクポーチを公開してもらったインタビュー後編も後日配信予定!

(modelpress編集部)

森保まどか(もりやす・まどか)プロフィール

モデルプレスに来社!/森保まどか (C)モデルプレス
モデルプレスに来社!/森保まどか (C)モデルプレス
ニックネーム:まどか
生年月日:1997年7月26日
血液型:A
出身地:長崎県
身長:168cm
趣味:映画鑑賞・舞台鑑賞・読書・人間観察
特技:ピアノ演奏

2011年10月、HKT48第1期生としてデビュー。チームKIV所属。長崎市観光大使を務め、HKT48内のユニット「Chou」としても活動中。2014年に発売されたAKB48の38thシングル「希望的リフレイン」では選抜メンバーに抜擢され、翌年、ファースト写真集「森のモノローグ」を発売。FM福岡「HKT48 渡辺通一丁目FMまどかまどかのまどから」では約7年間、メインパーソナリティーを務めている。

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